
安藤忠雄氏は「聖なる空間とはすなわち超越的なものに違いないが、私にとっては、それが何か<自然>と関わるべきものであるように思われた」と語っています。緑や水や光や風、あるがままの自然との対話から創りだしたこの教会は、安藤氏独特のコンクリート打放しの壁や、余計なものが一切ないシンプルな造りでありながら、温かみと安らぎのある表情を見せています。それは、自然と拮抗して、人工の世界を広げていくような西洋的な考え方ではなく、自然との関わりを重要視する日本的感性から生まれています。

自然との共生をテーマに安藤忠雄氏が創り上げた「水の教会」には“祈り”の原風景が拡がっています。安藤建築特有のコンクリート打ち放し、シンプルなラインでありながら、静謐な温かみある表情を見せ、記憶の奥底の懐かしい場所として存在しています。

春夏秋には正面のガラス扉(高さ5m×幅15m)がスライドし、自然との境界を消し去った開放的な空間に。風のそよぎ、鳥の囀り、水のせせらぎ。そのすべてが聖なる誓いの場となり、小川から流れ込む湖面には十字架が浮かび、その十字架に向かって永遠に水が流れ続けてゆく。「水の教会」は、安藤氏が創り上げた大自然との一体感を五感で感じる、誰にでも開かれた教会です。










